レビュー(PS2)



●信長の野望 蒼天録
コーエー 9800円

「信長の野望」シリーズの10作目となる作品で、過去のシリーズとかなりプレイ感覚が異なる印象です。
最大の特徴は、大名だけでなく軍団長や城主でもプレイできること。
いずれの場合も最終目標は天下統一ですが、そこまでのプロセスが異なってきます。
大名の場合は、各軍団長におおまかな指示を出し、天下統一を目指すことになります。
しかし軍団長や城主の場合は、大名に付き従って働いてもいいのですが、下克上を起こして独立したり、他の大名に寝返ることもできます。
外交や策略を駆使して下克上を成功させるのは快感で、まさに「蒼天録」の醍醐味と言えるでしょう。

シナリオは全5本で、1534年〜1582年まで幅広く揃っています。
更にゲーム開始時に設定を行うのですが、ここで重要なのが「城総取りの有無」。
これを「あり」にすると、大名の城を攻め落として大名を処断した場合、その大名家のすべての城を支配下に収めることができます。
「なし」の場合は、大名を処断した時に、その大名の配下が軍団単位で独立するようになります。
「あり」と「なし」ではゲーム性が大きく変わってきますので、注意が必要です。
「あり」だと勢力の大きな大名家を一気に滅ぼすことも可能ですが、他の大名家も大勢力になりやすいというデメリットがあります。

さて、ゲーム開始後は、部下に命令を出して天下統一を目指すわけですが、最も重要になってくるのが「訪問」と「外交」の各コマンド群です。
大名なら常に軍団長や城主の友好度に気をつかわなくてはいけませんし、下克上の仲間を作るためにも必要不可欠なコマンドです。

一方、戦闘フェイズではマップ上を複数の勢力の軍団が動き回り、城を包囲したり包囲されたり、所々で野戦が発生したりします。
自勢力の軍団に的確に指示を出さなくてはならないのでかなり忙しいのですが、このゴチャゴチャぶりもまた魅力だったりします。
ただ、肝心の戦闘シーンはいまひとつ戦略性に欠ける印象。兵数と各武将の戦闘値でだいたいの戦闘結果は決まってしまいます。
もう少し、策戦による逆転性があっても良かった気がします。

他、オリジナル武将を作成して登場させることができたり、一回クリアすると隠しシナリオ「清洲会議」が出てきたりと、かなり遊び応えがあります。
セーブに必要なメモリーカードの容量がかなり大きいのは難ですが、それでもオススメできる良作だと思います。



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