天空のレストラン



天空のレストランは、エンターブレインから発売された、プレイステーション用ソフトです。
内容はいわゆるボードゲーム。
プレイヤーはシェフを選び、マップ上を周回して食材をゲットします。
そのゲットした食材をシェフに渡し、料理を完成させます。
そうして完成した料理を、ギャルソンと呼ばれる人に渡し、マップ上に配置します。
ギャルソンが配置されたマスにプレイヤーが止まると、料理に応じた食事代を支払うことになります。
こうして時間内で、一番資産を増やしたプレイヤーが優勝となります。
これが基本ルールですが、このゲームの最大のポイントは、プレイヤー間の駆け引きでしょう。
ゲットした食材は、基本的には全てのプレイヤーに渡せます。
そのため、自分の料理に必要ない食材は、他人に渡してしまうのが得策です。
それにより、敵プレイヤーの料理を正規のレシピから外れた、いわゆる「ヤミ料理」に転落させることもできます。
ただ、他のプレイヤーに食材を渡して妨害すると、そのぶん自分の料理の完成が遅れますし、妨害したプレイヤーの逆襲を受けることになるでしょう。
こういった個々の思惑が入りまじり、駆け引きはだんだん熾烈なものとなっていきます。
こういった駆け引きこそが、このゲームが盛り上がる要因でしょうね。

ただ、不満がないわけではありません。
最初に食材をゲットした時にシェフが思い付くレシピが、いまひとつ納得できないんですよね。
たとえば中華のシェフに鶏肉を渡したら、いきなり「チキン味噌ラーメン」とか。
さらにフォアグラを渡したら「フォアグララーメン」とか……。
なんでもラーメンにしたがるシェフのセンスを疑ってしまいます。
もちろん、その後別の食材をゲットすることで、高額なレシピに発展する可能性はありますが。
そこでイナゴなんて引いてきた日には、目も当てられません。

また、逆転性が薄いのも不満です。
ある程度地盤を固めたプレイヤーの牙城を崩すことは、大変困難です。
ギャルソンを寝返らせることも可能ですが、それでも大抵の場合は、優位に立ったプレイヤーがそのまま押し切ってしまいます。
もっと一発逆転の要素があっても良かったのでは……。

ともあれ、パーティープレイの盛り上がる作品です。
人間関係の破綻には、十分ご注意を……。



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