真説・ミスタードリラー



ある日突然、地表に赤青黄色のブロックが涌き出てきたら、どうしますか?
……どうしようもないですね。
でも、そんな時のために「ミスタードリラー」ホリ・ススム君がいるのです。

てなわけで、突然ブロックが涌いてきた原因を調査するため、ススム君は地面を掘りはじめました。
順調に掘り進んでいくススム君。
と、突如目の前に一匹のファイガーが!
ファイガーは体をピカピカ光らせながら、こちらを見つめています。
「うわぁ、光ってるよ〜!炎吐いてくるよ〜!」
なんでススム君がそんなことを知っているのかはさておき、彼はとりあえず一目散に逃げ出しました。
するとその影響で大落盤が始まってしまいました。
その場で炎を吐く体制に入っていたファイガーは、なすすべなくブロックの餌食に……。
ファイガーの断末魔の叫びを聞きながらも、ススム君は無我夢中で掘り進んでいました。
「うが〜っ、ハラへった」
飲まず食わずで3分間も掘り続けていたススム君は、空腹で倒れそうになりながらも必死に掘り進んでいきました。
そんな彼の目の前に、巨大なナスが現れました。
「!? どんな原理で出てくるんだ?こんなでっかい野菜」
もっともなツッコミを入れつつも、空腹の彼はたまらずそのナスに食らいつきました。
「ま、まっずぅ〜、うえぇぇぇ……」
相当まずかったらしく、ススム君はその場に倒れこんでしまいました。
生のナスをそのまま食べたのですから、無理もありません。
そのまま彼は3分間ほど寝込みました。
そして気づいた時には、すっかり酸素がなくなっていました。
「うわ、やっべぇ〜」
ヤケに冷静なススム君は酸素カプセルを探しはじめましたが、見つかるのは「コン○ック鼻炎用カプセル」だの「カプセルホテルの宿泊券」だの、そんなものばかりです。
そして途方にくれながらも、やっとの思いで酸素カプセルを見つけ出しました。
でもそれを取ろうとした時に、不意に横のブロックが音をたてて崩れ落ちました。
「ふぅ、このへんの土は掘りにくいなぁ」
ブロックの向こうから現れたのは、白い全身スーツに身を包んだ男でした。
手には伸び縮みするモリと、空気ポンプを持っています。
「あれ、君同業者?でも見かけない顔だねぇ……」
そう言うと白い男は酸素カプセルを素早くつかみ取り、
「まぁ、あんまりボクの邪魔をしないでおくれよ、じゃあ」
と爽やかな笑顔を浮かべて、その場を立ち去りました。
呆気に取られたススム君でしたが、カプセルを奪われたことに気づくと血相を変え、焦った様子でブロックを掘りはじめました。
そしてやっとの思いでカプセルを回収すると、その勢いでかなり深い所まで掘り進んでいきました。
道中では、やたらバウンドするボールを持ったピエロに追いかけまわされたり、金塊の山に目を奪われたりもしました。
そしてようやく、ススム君は地表から1000メートルの所まで掘り進みました。
不意に、目の前に明るく広い空間が広がりました。
「ウフフ……、見たね?」
背後の声にススム君が振り向くと、そこには白ずくめの男が立っていました。
「君のおかげで、すっかり仕事がなくなってしまってね。今はこの地下室で、機会をうかがっているわけさ」
わけのわからないことを言いつつ、白い男はススム君に向かってモリを構えました。
「さぁ、私と勝負だ!」
「ヤです」
あっさり断ると、ススム君は下のブロックを掘って、さらに下へと降りていきました。
「って、え?ちょ、ちょっと待て……、う、うわあぁぁぁぁぁ!」
白い男は、ススム君がブロックを掘った影響で起きた落盤に巻き込まれてしまいました。
そして、ブロックが出てきた原因は、結局謎のままでした。

教訓……逆恨みはやめましょう



ミスタードリラーは、株式会社ナムコの楽しいアクションパズルゲームです。
実際のゲーム中では、こんなことは起こりません。



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